Lost Illusion Ⅱ

野崎六助映画ブログ 15年遅れの映画日誌

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リメイクを馬鹿にするな

 最近はレンタルで何を観てもすぐに忘れてしまう。忘れてしまうのは、無駄な情報を頭のなかから整理する意味でけっこうなんだが、観たという事実まで記憶にとどまっていないのは困る。
 それで、ごく私的に点数表でもつくり、気が向いたときに記しておくことにした。
ookami<>pyuapyubhigh

イラク 狼の谷 06年 トルコ映画 ★★★★
 監督 セルダル・アカル
 これは大した期待もなく観た。ところがところが、である。何よりアクション映画としてだけ評価しても、しっかり出来ている。「全世界騒然の反米映画」だったとは、うかつにも後で知った。
 考えてみれば、ユルマズ・ギュネイ以来のトルコ映画だった。漫然と観ていて、気にかけていなかったのである。内容はどうということはない、アメ公を悪役にしたドンパチ西部劇。ただし主張は控え目、すべてはアクションが自ずと語る、といったつくりだ。
 トルコ、イラク、クルドの三者が団結(でもないが)して反米する。実情の詳しいところまでは知らず、こうした映画を作らせる空気はたしかにあるらしい。
 主演のネジャーティ・シャシュマズは、もちろん初めて観る。少し硬くて、主役だとわかるまで時間がかかった。ビリー・ゼインが元諜報員のアメリカ側の実力者役。砂漠の只中に君臨する狂気の帝国主義者だ。コンラッドの『闇の奥』の五番煎じといったところで、すこぶるわかりやすい。また出たかと思うが、しかしこの俳優では「狂う」まで深みは出てこないのが残念。ジョン・マルコヴィッチなら、ともかく。まあ、贅沢はいうまい。むしろゲーリー・ビジーが演じるマッド・ドクターが光っていた。捕虜を斬り刻んで、取り出した臓器を密売する医師。こういう奴ばかりいるような気がしてくる。
 この作品についての基本データは
 www.at-e.co.jp/ookami/

アンド・ジャステス 99年 アメリカ映画 ★
 監督 アルバート・ピュン
 主演 シルク・ザ・ショッカー アイス・T
 どうせ駄目だろなと思ってはいても、やはり腹のたつ駄作だ。
 アルバート・ピュンは『ネメシス』の他は全滅だな。
 前作の『ブロンクス・バーニング』もひどかったが。気をつけよう。時間の無駄だ。
 しかし人気ラッパーの出るストリート黒人アクション映画はどうしてこうもテキトーなんだろう。
 監督の名前で釣られても、事態は変わらず。最初のワンシーンを観ただけで、どれだけテキトーか歴然としてるんだから。

俺が犯人だ! 55年 アメリカ映画 ★★★
 これはGYAOの配信をダウンロードして観た。一度ファイルに落としてハードディスクに保存した分、手間はかかっている。
 期待はしなかったが、なかなかの満足度。
 『ハイ・シエラ』のリメイクということで、世評高いオリジナルと比べるとどうとかこうとかワリをくってきたような作品。しかし埋もれるには惜しい。
 シナリオは原作者のウィリアム・バーネットだから。むしろ原作のチープさが、前半にはよく出ている。主役のジャック・パランスも彼のベストじゃないかな。どうしてもボギーと比較して観られるのは損だが。あのご面相で、時おり可愛らしい表情まで見せるのだから驚いた。シェリー・ウィンタースも、いつものいかにも同情を引く役柄だが、悪くはない。
 チンピラ役のリー・マーヴィンアール・ホリマンが溌剌としているし、コメディリリーフのゴンザレス・ゴンザレスが短い登場シーンをさらっている。『リオ・ブラボー』の演技の基はここにあったのか、と納得した。後半の山岳地帯の逃亡場面のカラーも素晴らしい。
 むしろ『ハイ・シエラ』を上回る、といってもいいくらい。
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  1. 2008/02/15(金) 15:55:15|
  2. 日記

シニアはハヨ死にや?

 ジョエル&イーサン・コーエン『ノーカントリー』を観てきた。
 基本的には、納得。
 早めに行ったのが幸したけれど、満員で入れなかった人もいたようだ。暑い試写室、銃声の効果音が身体のなかにドゥンドゥンとこだまする。

 ジェイムズ・グレイディ『狂犬は眠らない』にびっくり。
 数あるリストラ・スパイの話でもダントツだ。CIAの秘密精神病院でグループ・セラピーを受けていた「狂人」が脱走する――
 というのは、営業用紹介のモードで。
 びっくりしたのは、別のこと。献辞を捧げられた名前なのだ。
 ボブ・ディラン
 ビリー・ホリディ
 ブルース・スプリングスティーン
 リチャード・トンプスン
 ブライアン・ウィルスン
 これだけで「同世代の絆」を感じてしまうのは、ただのセンチメントか。ともかく、読まずにはいられなくなる。
 たしかに、この小説の底には、ザ・ボスの「ジャングルランド」が執拗に流れている。その一貫性は、たとえば「ボーン・イン・ザ・USA」がある種のメッセージ・ソングとして利用された例などと比べて、はるかに内在的なのだ。他に、トンプスンの「アイ・フィール・ソー・グッド」、ザ・ビーチボーイズの「ドント・ウォーリー・ベイビー」は、映画の挿入歌といった使われ方をしている。
 ビリー・ホリディの場合は、人物の一人が「エンジェル・オブ・ハーレム」の投影なのだろう。そして、ディランはどこに? 見当がつくのは、この小説が、マーティン・スコセッシの『ノー・ディレクション・ホーム』に多大な刺激をうけているのだろうということ。
 「世代の唄」がとりわけ低声で語られる季節がふたたび巡り来たったような。
 2007年問題の先頭を切ってシニアに突入した身として、いっそう強く感じるのだろうか。
 『ダイハード4.0』なんかでも、ブルース・ウィリスクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの講釈をして若者に馬鹿にされるシーンがあったりした。
 まあ、クリームレッド・ツェッペリンの復活を目にしてどんな感傷にひたるかは、それぞれの勝手だけれど。

 とまれ、『ノーカントリー』を来年三月に映画館で観るなら、堂々のシニア料金で入ることができる。原タイトルはずばり『老人の生きる国はない』だった。トミー・リー・ジョーンズは当たり役すぎて……。缶コーヒーのCMのロング・ヴァージョンみたいなところもあり。殺し屋ハビエル・バルデムは、『夜になるまえに』のレイナルド・アレナス役があまりに強烈だったせいもあって、今回はムニャムニャムニャ。
 それにしても、『ファーゴ』でピーター・ストーメアスティーヴ・ブシェミを「解体」しちまうシーンが思い出されてくる。
  1. 2007/12/21(金) 17:42:36|
  2. 日記

無頼 黒ドスのテーマ

 某ミステリマガジンが年度恒例のアンケート集計を大幅に変えて。
 早い話が、九月末が年度の境になる。半年くらいしか経過していない実感だから、気分は集計モードにはなりにくい。ずいぶんと忙しないな。今年になってから同年代の文筆家がけっこう亡くなっている。時の流れか。それでなくても、カレンダーのめくられていく速度の勢いがねえ……。

 梶芽衣子の『野良猫ロック セックスハンター』挿入歌のことをふと思い出して。タイトルすら憶えていなかったが、どこかでゲットできそうだという予感に引きずられた。捜したが、ない。Lime Wire で検索をかけると、漢字でなく meiko kaji で、タランティーノ効果なんだろう、『さそり』の「怨み節」と『修羅雪姫』のテーマ。この二つばっかりぞろぞろと出てくる。
 悪いけれど、コミック原作を映画化したヒット・シリーズは、『さそり』も『修羅雪姫』も、主題歌ふくめてすべてつまらない。梶芽衣子の様式だけしかそこにはない。このシリーズのみで梶芽衣子の魅力を語るなんてのは言語道断だ。せめて『銀蝶渡り鳥』シリーズくらいは知っておいてくれよ。
 さらにしつこくサーチしていくと、『野良猫ロック』シリーズへの熱い想いを語っているサイトを見つけて。CDが出ていることも知る。
 いや、これは凄いやと思って購入したのだが。外れでけっこう、一曲だけのためだ、と覚悟して。
 なんというか『ジャッキー・ブラウン』や『マルコムX』のサントラ盤を買った時のデジャヴだ。ほとんど外れ!じゃないか。どうにか我慢したけれど、もやもやは晴れず。
 目当ては、安岡力也と梶芽衣子のデュエット「禁じられた一夜」だけだったが。ほんとに他には再聴するほどのものなし。もったいない。目当ての一曲もずいぶんと短くて。ただの劇中挿入歌だもんな。
 このシリーズの映像はDVD化されてはいるが、あえてもういちど観ようとは思わない。他にも思い浮かぶ作品は数多ある。それをふくめて、あの頃の「感動」が相対化されてしまうようで、再見は、積極的にしたくないということ。観直して新たな発見があるとは、絶対に思えないのである。鮮烈に残っているパーツについては、そのまま大事に抱いておくほうがいい。
 『さそり』のスタイルは要するに、この映画が魅せたファッションの完成だったといえる梶芽衣子をはじめとして、松田優作ふうにかっこ良かった安岡力也、半端に青臭くて気障な頃の藤竜也……。すべてあの時代とともに過ぎ去ってしまったのですよ。
 『野良猫ロック』シリーズは四本あって、どれもいかがわしいタイトルだが、最も品格に欠け最も内容とかけ離れている『セックスハンター』が、最高の作品なのである。基地の街ニッポンというマージナルなテーマに、B級プログラム・ピクチャーという枠内で、大胆に挑戦してみせた。まあ、議論はともかく、このあたりの事柄は、京一会館のオールナイト特集に通ったあの季節に特権化して封じこめておいたほうがいい。個人的には。
 同じ系列の「ダンカイ懐メロ・コレクション」に『銀幕演歌ロック』二枚シリーズがある。
 これは、B級やくざ映画のテーマ曲集成といったところ。若山富三郎の「極道行進曲」、菅原文太の「与太者ブルース」「関東テキヤ一家」、梅宮辰夫の「不良番長シャロック」などを収録。やくざ演歌なら、鶴田浩二高倉健藤純子の御三家になるのがふつうだが、並べてみれば一目瞭然。B級のほうに、はるかに色濃く時代の不逞の気分、じゅくじゅくどろどろとした怨念が詰まっている。
 こちらのほうは、購入せず。
 コンテンツを眺めては、こうして見るとずいぶんいろいろあったんだなと、下らない感慨にふけるにとどめる。
 すると、気づいた。
 何かないぞ。何かが欠けている――と。
 で、『野良猫ロック』CDの姉妹篇である『無頼・殺バラせ 1968-1971 日活ニューアクションの世界』の収録作品を調べてみた。だが。ここにもない。ないものとは何か。
 渡哲也の歌う「無頼・黒匕首のテーマ」だ。『無頼』のテーマはインストルメンタル・ヴァージョンで入っているのだけれど、肝心の歌がない。
 いちど発売禁止を喰らったまま、門外不出になってしまっているらしい。
 先日、ラジオで「発禁・放送禁止」になった歌ばかり集めた番組がオンエアされたのだという。それは快挙だったと思う。守屋浩の「練監ブルース」や克美しげるの曲(事件後初の放送とのこと)から頭脳警察の「銃をとれ」、渡哲也では「関東流れ唄」も入っていたけれど、「無頼・黒匕首のテーマ」はなし。この集成によってもまだリストに載らなかったということだ。
 ここまでくると、あの唄がじっさいの価値以上に忍ばれてくるから不思議。

 それはそれとして。
 精神的崩壊の地すべりがずんずんと進行している。こういうものは加速がつくのだろうか。
 
  1. 2007/10/12(金) 16:32:26|
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